昨晩、11/22(木)のこと、
車で夕飯の買い物から帰る途中、住宅街の細い道の道端に横たわる白猫。
知ってる、この猫はいつもこの辺をうろうろして、倒れている目の前の家の塀を超えて入っていく猫だ。(このあたりで見かける野良猫は何となく把握している)
撥ねられてまだそう時間もたっていないようで、外傷もほとんどなかった。
道幅が狭いので、大きめの車が通ったら踏みつぶされてしまうだろう。
放っておくのもはばかられ、同乗していた嫁も同じ性格なので手を出すことにした。
倒れていたのは、民家のまさに門の前だった。
こんなところに猫に死なれているのも気の毒だとインターホンを押し、
この猫を知っているかと尋ねたが
「それはうちの猫ではありません」とだけの返事。
冷たいな。
家の前で猫が死んでるんだから、あらあらこれは大変、と
様子見にぐらい出てくるのかと思ったがそんなこともないようだ。
そして、その隣の家。この家の庭に入っていくことがあるのも知っている。
しかし、こちらも同じような返事だった。なんと冷たい。
通りすがりの俺が把握してるぐらいなんだから
自分の庭をうろうろしているのも見たことあるだろうに。
まぁ、猫が庭をうろうろしているからと言って、猫好きだとも限らないか。
さて、ではどうしようか。時刻は18:30。
平日昼間なら市役所が対応してくれるはずだが、とっくに時間外。
よりによって明日から三連休なのだ。
市道で動物が死んでいた場合の対応先は市役所だが、
ややこしいことに、現場は柏市だが、数歩移動すれば越境して流山市である。
対応はどっちにしてもらおうか。
(この近辺、市境が異様に入り組んでいることで有名である)
おっと、ぼーっとしている場合ではない。
とりあえず拾わないと無残な姿になってしまう。
車内を探して見つかったビニール袋を手にはめ、土嚢袋でワンクッション挟み、
某王国の物販袋に収めた。袋越しでもわかるぐらい、まだ温かかった。
道端に落ちているうちは柏市の市道の上で死んでいる猫だったのだが、
これを拾ってビニール袋に入れてしまったからにはもう俺の持ち物である。やれやれ。
とりあえず車に乗せてそこから数百メートル、流山市の自宅に持ち帰る。
そう、私は流山市民。受けられるのは流山市の市民サービスなのだ。ややこしい。
とりあえず、本日中の処分は望めないので、こいつには段ボール箱に入ってもらって
うちの庭で寝てもらい、柏市と流山市の行政サービスを調べてみた。
柏市の場合
柏市の場合は環境サービス課に連絡すれば処理してくれるとのことだ。
しかし、まずこの時間は電話がつながらない。
夜間受付である守衛に電話してみたところ、やはり翌日電話してくれとのことだ。
しかし、正確を期すため、
「柏市の路上で死んでいた猫を回収して、流山市の自宅で保管している。これを回収してくれるか?」
と尋ねてみたところ、いったん保留になった後、それは流山市のほうで対応してもらいたい、との返答だった。
残念だが、路上で潰れていくのを受け入れられないからと勝手に拾ってきたのだ。
仕方ない。
続いて、流山市の場合
流山市では、動物の死骸等の対応は一括してクリーンセンターの対応となっているようだ。
流山市のクリーンセンターは年末年始・日曜以外の祝・土は営業しているため、
最悪ここに持ち込んで渡し賃1080円を持たせてやればどうにかしてくれそうだ。
では、柏市のクリーンセンターはどうだろう。
http://www.city.kashiwa.lg.jp/soshiki/080300/inuneko.html
柏市のクリーンセンタならもっと安く処理してくれるようであるが、
残念ながらここの対応は祝日を除く月~土曜日のみになっていた。
www.city.kashiwa.lg.jp
しかし、私の住民票は柏市にはなく、明日は祝日。
路上に落ちていた死骸を越境してまで保管した、流山市民の持ち込みをどう取り扱ってくれるのか、それすらも明後日の土曜日にならないとわからないのだ。
やはり流山クリーンセンターが最適か。そう考えて翌日の朝を待ち、
流山クリーンセンターに電話を掛けた。
私「家の近くの路上で轢かれていた猫を処分してほしい」
私は知らないふりをした。
センター「野良の猫ちゃんですか」
私「はい」
センター「回収しに行きます。午前中は在宅ですか。」
私「はい。料金はかかりますか?」
センター「野良でしたらかかりません。住所と連絡先を。」
家の近くの路上で轢かれていた猫である。
その近辺が市境であってその境があまりにも複雑に入り組んでいること、
しかし現場自体は柏市であることを、私は知らないふりをした。
知っていたとしても、自分が流山市民であり、
これが日常の買い物の通り道であったなら、ここが柏市の一部であるかもしれない、などと考える理屈っぽい奴がそんなにいるだろうか?
電話からわずか30分後、幌付き軽トラと2名の係員がやってきて、
段ボールに入った猫を回収していっった。
どこで轢かれていたのかは聞かれなかった。
本当に自分の家の前で猫が轢かれていたら、もう少し話は簡単だったのかもしれない。
しかし、車で通りかかって、猫が轢かれていたからどうにかしてやろうと思っても、
その辺に埋めることも、いきなり燃えるごみとして出すことも社会は受け入れてくれない。
当事者でなければ、見て見ぬふりをして通り過ぎるのは仕方がないだろう。
私の幼少期、実家近辺では、野良猫、半野良、外飼いの猫がたくさんいたが、車の往来も多く、猫が轢かれているのを小さいころからたくさん見ていた。
悲しいことに、冬場に親が車のファンベルトに子猫を巻き込んでしまったことも2度もあった。
そんな環境だったから自宅で餌をやっていた猫の姿を見なくなることはあったし、
家から離れたところで、同じ柄の毛皮が道路に張り付いているのを発見してしまったことだって何度もあった。
それでも、しばらく見ないけどどうしたのかな、
車にでも轢かれてしまったかな、と思ってやり過ごしてきたのだ。
この白猫、たまにうちの近くのほうで見た気もするし、
近所の別の家の玄関先に座っているのを見たこともある気がする。
でも、知ってる可能性がある人を訪ねて歩いて、猫が死んでしまったことを伝えても、喜ぶ人がそんなにいるとは思えない。首輪がなかった以上、ここまでだ。
轢かれる猫も悲しいだろうが、それを見てしまう人が少しでも少なくなるといいな、と思って、車を運転するようになってから交通状況や同乗者の許す限り、できる限りの対処をするようにしていた。これで何匹目かな。
今回は柏市役所との相性が悪く残念なことになったが、過去に市役所の近くで轢かれていた猫を、現場近くの神社の裏山に埋めた後(ギリギリ許してほしい)、
その作業に使った血濡れのビニール袋を快く引き取ってくれたこともあった。
悪いのは、轢いた後に片付けなかった奴だ。
轢かれた動物に手を触れるのはかなり覚悟のいることだと思う。
自分の手で路肩に移動することだって難しいと思う。
そんな動物を見つけたら、それ以上遺体が損傷する前に、また二次事故を防ぐために
管轄する自治体や道路事務所に電話してほしい。
あと、轢いたらせめて自分で片づけよう。
できなければ警察にでも相談しろ。(いい対応してくれるかどうかは知らん)
外飼いはやめよう。誰も幸せにならない。
要するに、連休の前日に動物の死体を拾うとちょっとめんどくさい。ということだ。
これは盲点だった。
まぁ、俺は、これだけやってるんだから、猫、轢かないと思う。
…憑いてるかな?