honeylab's blog

各種ハードウェアの改造、主にファミコンミニなどをやってます(ました)

胎児超音波心音計 エンジェルサウンズ Angelsounds の修理

妊娠12週程度以降から胎児の心音や臍帯音が聞けるということで、一般的な聴診器が売っていますが、超音波ドップラー音を復調して聞けるようにする、息子の胎児期間中に愛用していたエンジェルサウンズという機械。

 

 

 

 

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こいつ、メルカリで買った上にずいぶん酷使されたため多少傷んできました。
具体的には、電池ボックスの爪が折れ、2つあるヘッドホン端子のうち片方しか機能せず、それも接触不良になっているようです。

(※現在、メルカリでは医療用機器の売買ができなくなったと聞いています)

その程度のメンテナンスができないわけはないのでとりあえず、開けてみます。

ここが超音波発信・受信部のようです。ピエゾスピーカを半分に割ったような素子が、多少角度をつけて貼り付けられています。

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あと、これジェルを塗って使うということもあって、ミゾにホコリが溜まって汚ねぇw

なかなかアナログチックな基板。

左下の74HC04とそのそばのセラフィルが超音波発信部かな。
右下のMC1496は初見。AM変調ICらしい。
LM324がOpアンプ。そして今回直したい出力周りはLM386が一個だけなので、
最後に単純に分岐しているだけのようです。

 

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ジャックの根本にクラックしたようなところは見えませんが、
片方は生きているので、最悪ジャックを交換すれば治るのでしょう。
部品を手配して、その間にオシロで波形でも見てみたい気もしますが、
あんまりブラブラさせてこの線切っちゃうとやなのでさっさと直しましょうかね。

(※普通の人は、分解しちゃだめですよ。)

MA-E350/NLWを設定するメモ

沖縄県南大東島に設置する気象モニタリングシステムに使うため今回選定した機器。

www.centurysys.co.jp

docomoSIMカード使用でインターネットに接続できるいわゆるLinuxマイクロサーバ。
いままで類似案件では Openblock IoT BX1/EX1を使っていたんだけど、

www.plathome.co.jp

今回離島環境で電波状況が不安なため、外付けアンテナを使用できる機器として探していて、本当はArmadillo IoT G3Lを使うつもりだったんだけど、欠品により納期がずいぶん先になりそうなため次点としてこのMA-E350/NLWを選定しました。

armadillo.atmark-techno.com

遠隔地で動作させるため、本体にSoftEther VPN Clientを入れてリモートメンテできるようにしておく。また、配下に無線LANを使った各種センサを接続することがあるため、wlanをhostAPにして、wlanに接続したclientはppp経由でインターネットに接続できるようにする、というのを実現するためにやったことをまとめておかないといつでも忘れることができるので頑張って記録する。

ファームウェアの更新

まず、手元にある6台の機器のファームウェアLinux Ubuntu 14.04ベースとちょっと古めで、最近勉強した自動起動周りが使えなくなって再勉強が必要になっていた。Ubuntu18ベースのファームウェアも公開されていたが、安定しているか不安なので使わないでいた。しかし、どうも買った直後ぐらいに大規模更新があって、新しい出荷からUbuntu18ベースになるとのことだ。もしも追加納品が発生すると後からめんどくさくなるので、頑張ってファームウェアの更新をすることが必要だった…

https://ma-tech.centurysys.jp/doku.php?id=download_software:mae3xx:start

さて、どうにかファームウェアを更新したら追加パッケージを入れていく。

SoftEtherを入れるのにgccコンパイラが必要なため apt-get updateする
その他、あとの手順で必要になるパッケージは一気にまとめてgetしておこう
apt-getで入れたパッケージは overlaycfg -s other をしないと次回起動時にきれいさっぱり消えるのでややこしい

FutureNet MA-E300シリーズ | お客様サポート | CENTURY SYSTEMS

と、思ったけどsoftetherコンパイルした後はいらなくなるかもしれない。

一旦ビルドしたバイナリはどっかに取っておいて、gccのことは忘れてもらってもいいようだ

SoftEtherのビルドと設定

ソースパッケージを落としてmakeする。
自動起動の設定はUbuntu18はsystemdでやったほうがいいので

https://qiita.com/kumasun/items/6fd9ddafc8ea6278f088

ここを参考にした(これはServerなのでClientに適宜書き換え)。

VPN用のipアドレスは /etc/network/interfacesに書いておく。

allow-hotplug vpn_vpn
iface vpn_vpn inet static
address 192.168.37.12
netmask 255.255.255.0

接続設定の作成をコマンドラインからやるのはかなりめんどくさいが、vpncmdコマンドでリモート管理を有効にして、Windowsマシンに入れたGUIツールで接続設定を書き込んだ。

root@plum:~# systemctl status vpn
vpn.service - Softether VPN Client Service
Loaded: loaded (/etc/systemd/system/vpn.service; enabled; vendor preset: enab
Active: active (running) since Sun 2019-06-09 21:24:51 JST; 16min ago
Main PID: 867 (vpnclient)
Tasks: 16 (limit: 1140)
CGroup: /system.slice/vpn.service
tq867 /root/vpnclient/vpnclient execsvc
mq868 /root/vpnclient/vpnclient execsvc

Jun 09 21:24:45 plum systemd[1]: Starting Softether VPN Client Service...
Jun 09 21:24:50 plum vpnclient[851]: The SoftEther VPN Client service has been s
Jun 09 21:24:51 plum systemd[1]: Started Softether VPN Client Service.

 

root@plum:~# ifconfig vpn_vpn
vpn_vpn: flags=4163<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST> mtu 1500
inet 192.168.37.12 netmask 255.255.255.0 broadcast 192.168.37.255
inet6 fe80::5c4c:1fff:fe35:e9e9 prefixlen 64 scopeid 0x20<link>
ether 5e:4c:1f:35:e9:e9 txqueuelen 1000 (Ethernet)
RX packets 645 bytes 44720 (44.7 KB)
RX errors 0 dropped 0 overruns 0 frame 0
TX packets 543 bytes 45122 (45.1 KB)
TX errors 0 dropped 0 overruns 0 carrier 0 collisions 0

ルーティングの設定

 

おもにここを参考に

http://ami-gs.hatenablog.com/entry/2014/03/20/175332

eth0になっているものをすべてppp0に変更しただけでうまく行った

あとhostapd

https://qiita.com/wannabe/items/a66c4549e4a11491f9d5

 

Planex ドコデモセンサー WS-USB01-THPを分解してみた。

プラネックスから発売されているこいつ

www.planex.co.jp

どうやらUSBから電源を供給、WiFiからクラウドに環境データを送信できるもののようです。

中身が気になったのでさくっと買って分解してみました。

外観

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ケースは接着されていないため、隙間に何か突っ込んで開けます。
(適当にやりすぎて見事にツメが折れましたが)

基板写真

 

 

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基板に書いてある「AMB7M03」というのをキーワードに探すと、どうやら
RealTekWiFi統合マイコン RTL8711AMのモジュールが載っているようです。

この辺をページ内検索すると見つかります。 

https://www.cnblogs.com/shangdawei/p/6534605.html

 

QRコードのシールを剥がしてみましたが何も書いてありませんでした。
電源投入直後にAPが立ち上がり、HTTPでアクセスするとClientとしてつなぐSSIDの設定画面になります。
あとは、説明書にクラウドの使い方とかが書いてありますが、残念ながらそっちには今のとこ興味がありませんので、その辺を探しにした方はごめんなさい。

 

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こっちには「G11AMEBAIR002」と書いてあります。この単語では何も見つかりませんでした。

さて、さっきのリンク先にあったように、このチップ RTL8711AM は ARM Cortex-M3相当のMCUを内蔵しているとのことです。

http://www.apmcomm.com/images/ds/enrf0063en.pdf

また、基板上にもISP用と思われるピンヘッダがあるためプログラムを書き込むことも理論上は可能かと思われます。

しかし、…開発環境はまぁgccだろうとしてかっちりこれを整えるのは大変だよな、と思って探していると、なんとRTL8711AMが乗ってArduino IDEから扱える環境があるようです。

http://www.rakwireless.com.cn/en/WisKeyOSH/Creator

おおお。そして、こいつの名前は「Creator Pro-Ameba RTL8711AM WiFi Module」と言うらしいです。
"Ameba"…聞いたことあるな。
いや、さっき書いてあった「G11AMEBA002」にしっかり書いてあるな。
どうやらこの辺の人らが作ったなにかなのかな?
もうすこし調べてみたらもしかしたらドンピシャな何かが出てくるのかもねw

基板上にあるISPヘッダとTPが2本、これが何なのかあとから調べてみたいと思います。

太陽光発電用MPPTチャージャ(中華)を設定する

www.chikuden-sys.com

今度構築システムで使うのに、発電・充電・放電情報を詳細に取る必要があったので、RS-232C接続可能なこいつを選択。

コントローラの外観と中身。

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※設定するのに別に分解する必要は全く無いです

 

どっからか探せばプロトコルもあると思うんだけど、とりあえず見つからないので公式のコントローラアプリを入れて試してみる。

 ハマる点としては、アプリのインストールだけじゃなくてアプリ自体も管理者として起動するようにしておかないと起動時にコンポーネントのエラーが出る。インストールに失敗したのかとあれこれ試すも、アプリ起動時の権限問題だった。

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オプションのUSBケーブルで接続する。末端はRS-232Cと記載されている。

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こんなかんじでパラメータが取れるはずなんだけど、こいつ充電対象のバッテリをつないでおかないとそもそもシステムが立ち上がらないのでまだ取れないな。
バッテリつなぐのめんどい…

 

 

【訂正とお詫び】ドンキで売ってる「ねこ型ロボットカメラ」が技適レスではなかった件について

「ドンキで売ってる「ねこ型ロボットカメラ」が技適レス」との内容で記事を書いていましたが、ドンキに問い合わせた結果、本体箱に認証番号が書いてある、とのことで、それを確認できました。
技適がないのではないかという根拠は、本体に認証番号が書いていなかったためですが、それについては法緩和により、説明書などへの記載で代えることができる、ということを認識していませんでした(説明書は見たけど箱は確認してなかった)

 

 

以下、当初の記事の内容を訂正する形で残しておきます。

が、箱に記載されている番号はやはり別の型番のものなので、このような本体形状の変更に関して同一の適合を適用できるのかということについてわかりませんので、近々管轄に聞いて勉強してみたいと思います。

 

こないだからいじっているスマモッチャー に並んで、なんか在庫の棚に並んでいたこいつ「ねこ型ロボットカメラ」がいつの間にか表に出てきてるのでちょっと調べてみました。

Image
見た目がかわいいので女性や子供のいるところにいいのかもしれませんね。
実際、これを買ったという女性の話がちょいちょい見えます。

さてこいつ、例によって海外製品のローカライズ版です。
もとは Aliなんかでも売っているこういうやつです。

https://ja.aliexpress.com/item/Kruiqi-HD-IP-1080-p-2-4-ghz/32891655006.html

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もはやどこが一番最初のオリジナルなのか探す気はなくなってきました。

さて、さっそく分解します。

Image  Image

スマモッチャーはネジ数本で完全分解できたのですが、こいつ猫の形にするのが大変だったのか結構な数のネジを外していかないと基板にたどり着きません。

Image Image

ようやく基板にたどり着きました。
SoCはちょっと前によく使われているHiScilicon製のHS3518です。久しぶり。
前に分解したフォトフレームなんかにも使われていたメーカーです。

honeylab.hatenablog.jp

 

IR基板とSoC基板に分かれている構造なのはこの辺共通っぽいですね。
スマモッチャーではモータドライブにはトランジスタアレイが載っていましたが、こいつは個別トランジスタのようです。
システムが入っているのは例によってSPIフラッシュ64MBit(8MB)。
外観はざっくりこんな感じ。

では早速、シリアルをつないで出力を取得しましょう。

bitbucket.org

U-bootのタイムスタンプはU-Boot 2010.06 (Aug 30 2017 - 16:48:06)
コンパイル日時は近いですが、ソース自体はずいぶん昔のを使ってるようです。
安定してるんでしょうね。

Linux version 3.4.35 (root@ubuntu) (gcc version 4.8.3 20131202 (prerelease) (Hisilicon_v300) ) #61 Wed Aug 30 18:45:19 CST 2017 

CPU: ARM926EJ-S [41069265] revision 5 (ARMv5TEJ), cr=00053177

Kernel command line: mem=28M console=ttyAMA0,115200 root=/dev/mtdblock2 rootfstype=squashfs mtdparts=hi_sfc:384k(boot),2048k(kernel),2560k(rootfs),320k(rom),-(app)

Linux関係。
HiSciliconは大体"HiLinux"という自社製のディストリっぽいのを入れています。
カーネル自体にも結構手が入っていると思いますし、割とごそっとkoが配置されてて、
Linuxが入ってはいますが、自前のプレイグラウンド、っていう感じがします。

hi3518e_base: module license 'Proprietary' taints kernel.
Disabling lock debugging due to kernel taint
load sys.ko for Hi3518EV200...OK!
load tde.ko ...OK!
load region.ko ....OK!
load vgs.ko for Hi3518EV200...OK!
ISP Mod init!
load viu.ko for Hi3518EV200...OK!
load vpss.ko ....OK!
load vou.ko ....OK!
load hifb.ko OK!
load rc.ko for Hi3518EV200...OK!
load venc.ko for Hi3518EV200...OK!
load chnl.ko for Hi3518EV200...OK!
load h264e.ko for Hi3518EV200...OK!
load jpege.ko for Hi3518EV200...OK!
load ive.ko for Hi3518EV200...OK!

まぁ例のごとく、Linux入ってるんでGPLのはずですが、もうどうでもいいやw
だれかHiLinuxのソース出させたことあるんだっけ?

Auto login as root ...
Jan 1 00:00:09 login[1107]: root login on 'ttyS000'
Welcome to HiLinux.

 ということで、オートログイン、というメッセージが出て、ユーザ名とパスワードを入れることなくrootでシェルに入れました。

スマモッチャーはこれに加えて、telnetが空いている、というポンコツでしたが、こいつはそうではないようです。

# netstat -pa
Active Internet connections (servers and established)
Proto Recv-Q Send-Q Local Address Foreign Address State PID/Program name
tcp 0 0 0.0.0.0:10086 0.0.0.0:* LISTEN 1105/npc
tcp 0 0 0.0.0.0:5000 0.0.0.0:* LISTEN 1105/npc
tcp 0 0 0.0.0.0:554 0.0.0.0:* LISTEN 1105/npc

 おっと、相変わらず554が空いています。
初期状態では無線LAN APとして立ち上がっていますので、PCから接続し、
ONVIF/RTSP対応のツールで接続を試してみると…

Image

さらっと映像が出ました。やはりローカルLAN内からは映像が見放題のようです。

PTZは試すの忘れたw

スマモッチャーではYCC365というツールを使って接続しましたが、このカメラはまた別のクラウドを使用しているようです。
コンソールに p2pLib なんたらかんたら、と出ているので、サーバ経由でp2p接続できるようになっているのでしょうか。まぁその辺はあんまり興味ないのでとりあえず置いておきます。

さてさて、この機械、ラベルがすごい安っぽいです。
Image

なんか違和感があるな、と思ったんですが…

技適シールはどこだ…?

うーん、普通は外から見えるところにあるはずで、そうでなくても中になんかしらありそうなもんだが…

 

うん、技適シールがないね!

まさかとは思うんだけど、技適検索から型番で調べてみよう。

型番は "FG-SECCAM02"…出てこないな

メーカ名で調べると…

Image

この販売店が出してるもので検索すると、SECAM01 は出てくるんだけど、 02が出てこない…

www.fugu-innovation.com

これ、技適ないんじゃね???

載ってる無線チップはUSB経由のいわゆるWiFiなんで、あまりに変な電波を出すことはないだろうけど、やはり技適が必要な周波数帯だと思われます。
うっかりミスなのか、確信犯的なのかわかんないけど、実際に取ってたとしてもシールがなくてあれこれ問題なジャンルで、見事に元から取ってないとするとちょっとまずいのでは。

まぁドンキに並んでるいろんなもの、全部が遵法状態かどうかというと、ちょっと疑わしいところがありますが…

いやはや、昔はこういうもの、アキバに行かないと買えなかったんですが、
その辺のドンキでお目にかかれるとは時代も変わったもんですな…

自分どんだけドンキ行くの

しまじろうにぎにぎボーロが一袋50円とか安すぎない?

日和って二つだけ買ってきたw

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ジェネリックドンキWiFiカメラ

件のドンキのWiFiカメラが発表されたとき、どうもいろんなメーカから同じ形のカメラが出てるじゃないか、というのが話題になっていました。

例えば、

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https://www.alibaba.com/product-detail/P2P-Wifi-IP-Camera-YCC365-1080p_60761808715.html

これとか。

ドンキのカメラを外から利用するためのアプリ"YCC365"というアプリを使うことから、中身が似ているか、同じメーカが作っているOEMなのではないかという推測がされていました。
しかし、ドンキの言い分としては「プライベートブランド」であり(OEMであるということには反しない)、箱には「DESIGNED IN JAPAN」と書いてあります。

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DESIGNED とはなんなのか。
もし、それが、「この製品は我々がデザイン(設計)しました」ということであれば、ほかの製品はコピー・模倣商品ということなのかもしれません。

 

その謎をあきらかにすべく我々はアマゾン奥地へ向かった。

 

 こちらがジェネリックドンキWiFiカメラの一つ、HeimVisionのHM202というカメラだ。Aliなどにも多数出ているが、素人がいきなり手を出すのはハードルが高いし、到着まで時間がかかる。そのため、アマゾンプライムで入手可能なこの商品を購入してみた。

 

到着して即、分解す…その前に、とりあえず外観チェックします。

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確かに似ています。が、ロゴの有無以外にも微妙な差があるようです。

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底面の三脚穴に使われている圧入ネジのパーツは違います。また、形成用の注入経路も違うようです。

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RESETのフォント・大きさも違います。

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カメラ基板を取り付けている部分の基本的な構造は同じですが、やはり形成の方法が違いそうです。

商品の見た目から、金型を使いまわす(もしくは同一ラインで製造している)商品かと思ったのですが、どうやらそうでもなさそうです。

では、基板はどうでしょう。

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うん、一緒だねw
基板に書かれているシルクは全く同一、部品もおそらく同じです。
違うのは、HM202のほうはマイクがリードで引き出しになっていますが、ドンキのは基板に直付けになっています。また、レンズの部品がちょっと違うだけで同じ、と言っていいようです。むしろ、ドンキのほうがロット違いでWiFi基板が違ったりしているみたいです。

では、ソフトのほうはどうでしょうか。

ドンキのカメラと同じように、シリアルをつないで調べたところ、u-boot / Linux部分は完全に一致。おそらく、SDK提供のものをそのまま使っているのではないでしょうか。
p2pcamアプリのコンソール出力が若干違うので、それ以外、ソフトウェアとしてもほぼ同一と考えてよさそうです。

コンソール出力が違っても、クラウドの接続先やプロトコルは同じようで、ドンキのカメラが使用しているYCC365のカメラと同様にカメラを追加でき、全く差がないようにアプリ上でも並べて表示されました。

 

そうそう、国内で使うにあたって大事な技適

いくら物理的に使えても、これを取得していないと電波法違反になってしまう可能性があります。おそらく、Aliで売っている類似品は日本の技適は取得していないでしょう。しかし、HM202はアマゾンで売っていることもあって、技適取得済みのようです。

では、技適番号から違いを見てみましょう。

ドンキカメラの技適番号は 201-190027と書かれています。

これを総務省のサイトから検索すると、以下のデータが出てきました。

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細かいことはよくわかりませんが、どうやら、R.W.Cという会社、つまり例のアールダブリューシーがきちんと技適を取得しているようです。

添付のpdfを見ると、なんと製品写真が載っています。

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みんなの電波はこうやって守られているのですね。

なるほど、

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製品のラベルには確かにIP001と書かれて… いないですね。

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「IL-HIP291G-2M-AI」とかかれています。

なんということでしょう、ドンキのカメラ、IP001は、技適を取得するときの検査の時には「IL-HIP291G-2M-AI」という名前だったようです!

おもしろいね。

この名前で検索すると、やはりいろいろなメーカがガワを変えて似たようなカメラを出しているようです。

この製品に使われているSoC「GK7102」は

www.gokemicro.com

ここのメーカが製造しています。

このSoCを使って、何社かが、IPカメラ作成用のベースボードとして基板を作って販売しているようです。

www.ruision.com

それらの中の一つとして、このカメラの基板のシルクに書いてある「BK-XHR 2.0」というものがあり、p2pcamというアプリを付けて売っているのではないでしょうか。
おそらく、p2pcamとクラウドサーバを利用させて費用を回収するモデルで。

私の勝手な推測ですが、そのため卸値はかなり抑えられているのではないでしょうか。
IP001やHM202はエンドユーザ価格が4000円程度ですが、Aliで売っているのは1200円程度。それでも利益が出る程度ということはおそらく数百円でしょう。仮に製造原価ぎりぎりだとしても、クラウドモデルの月額利用料がいくらでしたっけ?利用率がどのぐらいになるかわかりませんが、そこで元を取ることを主目的にしているのではないでしょうか。

 

先ほどの型番で検索すると「INQMEGA」というブランドのカメラが多くヒットします。

redlightgreen.org

部品や添付パーツから考えると、ドンキのカメラのOEM元はここなのではないでしょうか。ほかのメーカのジェネリック品は、コピー品か別ルートでの製造品なのかもしれません。
ドンキの箱には「製造元」として「アール・ダブリュー・シー」と書かれていますので、こいつはいわゆる「部品」で、それを飾り付けて、説明書を付けて、ドンキのプライベートブランドとして完成させる、大事なお仕事=製造 ということのようです。

 

「DESIGNED」は?ねぇ?どの辺が「DESIGNED」なの?という答えにはまだたどり着けていません。が、いろいろ奥が深いですね。

 

技適の方向から調べたところ、ほかにもいろいろ興味深いこともありましたので、おいおい書いていきたいと思います。あぁやっぱりもうこのネタで本全然一冊書けるじゃん!こんなに無料コンテンツで書いてたらもったいない!と思ったりもする。

 

ところで、この騒ぎのおかげでたぶんドンキカメラ20台ぐらいは売上増えてると思うんだけど、何ももらってないし、たぶんメーカには恨まれてると思いますね。

 

ドンキWiFIカメラ(6) 製品に含まれるLinux等のソースコードが公開されました。

www.rwc.co.jp

ドン・キホーテのサポートから連絡があり、上記の製造元のサイトで公開されたことを確認しました。

また、上記サイトの案内にもあるように、今後のソースコードに関する問い合わせは同社の問い合わせから送るように書いてありますので(ドンキに問い合わせても二度手間になるでしょうし)そのようにするのがいいと思います。

内容は現在精査中ですが、多分チップメーカから出てるSDK由来なんですかね。
(今の所、p2pcamアプリのGPL問題には触れていませんが)

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本来は、これに加えて著作権表示が必要な気がするんですが、そのへんはこれからどうなるか、ひっそりと見守って行きたいと思います。

 

また、ソースコード公開及び権利の確認に工数をかけていただいた皆様お疲れ様でした。
次は最初からやってね。

 

関連して過去の記事の内容を修正しています。
修正漏れがありましたら教えてください。