植物工場関連設備の構築でCo2センサを要求されるのですが、
学術レベルのCo2センサはバカ高くて買えないので
もうちょっとレベルを下げたやつ、という要求で選定しました。
DC(またはAC)24Vで動作し、各値がModbusで取得できます。
メーカのホームページはこちら。
group.chcsys.net
特に協力してるわけでもないので変な問い合わせはしないでねw
さっそく分解します。
左側の縦長の基盤がCo2センサモジュール、右側は上下に分割されています。
電源、入出力端子は右側の端子台に止めた後、ふたを閉めることで接続されます。
この手の機器は接続のため分解することが必要なものが多いので、
初めての人はビビるかもね。
基板全体
さて部品が集約されている左側の部分は大きく分けて3つ。
- メイン基板
- Co2モジュール基板
- インターフェイス基板
に分かれています
まずはこの機械のメイン部分、Co2モジュール基板を見てみます。
表面にはNDIR(近赤外線)Co2計測センサ本体が実装されています。
センサ本体は V A B の三端子です。
おそらくどこかのモジュールだとは思うんだけど、ぱっとは見つからなかった。
センサ本体には測定口があり、チューブで外界と接続されています。
また、温度測定用サーミスタと、ちょっと高そうなコンデンサが実装されています。
温度補償用かな?
裏面を見てみる。写真右側からメインの処理をしてそうなQFPのIC。
見たこともない型番なので、割と特殊なASICか、メーカカスタムのマスクROMの
マイコンなのかもしれない。
基板真ん中にI2C接続の1kb EEPROMが実装されている。較正用とかかな?
さらに左側、Microchipのマイコン「PIC16F1824」が載っています。
おそらくだけど、このモジュール基板はI2C接続でメイン基板からデータを読みだしているように見える。この通信部分を任されてるんじゃないかな?部品配置的に。
さていよいよメイン基板。ちょっとカバーでおおわれている部分をはがしてみます。
しかし、何か重要なものを覆っているというわけでもなさそうなんだが…w
特になにもなかった!なんでだったんだろう…
しかしこの製品、とにかくシルク印刷が親切である。
I2C端子にはことごとくマーキングがあるし、
なんとPIC用の書き込みポートも親切に準備してある。
…あれ?PICはどこだ?
この基板と表の液晶の間のこいつなんじゃないかな…?
これを引っぺがして型番を見るほどの気力はないので、そういうことにするw
あとは定番MAX3232C。後で出てくるシリアル接続端子を使って外部と通信できることになっています。
その右上のはI2C EEPROM。設定とか覚えるんだと思う。
真ん中あたりの黒い丸は電子ブザー。設定によって警告とかをならせます。
電源入力はAC/DC共用。おそらくブリッジダイオードで整流して使ってるんだと思うけど、ぱっと見どこだかわかんない。やっぱり液晶との隙間に入ってるのかな?
で、右側の青い丸は表面実装コイル。電源周りの部品です。
というわけで電源部品が実装されてる基板表面。
超定番のDC-DCコンバータIC MC34063があります。
これで外部電源から内部で必要な電源に変換しています。
実際にはどうかわからないけど、多少の電源変動は大丈夫なんだと思います。
シルクに+12Vっていうのがあるから内部的には12Vなのかな?
LCDの下のあたりに"RH ATM"と書かれた後付け基板。
これが湿度計なのかな?ATMは気圧だと思う。Co2の較正に使っていると思います。
そして、バックライトとして使えそうなLEDのパターン。
LED内蔵のモデルがあるのかな…?
また、なんかわかんないけど半田ジャンパがあります。なんだろねw
最後、インターフェイス基板。
RS-485のIFやオペアンプ(ちょっと何用かわからない)が実装されています。
同様にカスタムっぽいICがあってちょっとよくわかんなかったです。
この機器、いろんな種類のI/Fがあるので、この部分を置き換えることで
カスタム組み合わせが発生するようになってるんでしょうね。
http://group.chcsys.net/jp/wp-content/uploads/2016/11/co2controllernma.pdf
PDFのパンフはこちら。
仕事で植物工場や温室モニタリングをしてるのですが、
前述のように、学術研究用だとVAISALAの持って来いとかよく言われてしまうんですが、
CO2計測・製品カタログ - Vaisala
こいつバカ高いのよ。一点20まんぐらいすんの。
そうすると実験用の予算が付きにくいのでこないだまで別の韓国メーカーの使ってたんだけど、
こいつが出てきたのですこし選択肢が増えた感じです。
さてしかし、書くの二回目だけどこの基板、シルクが丁寧すぎるだろ…
PICのMCLRのプルアップ抵抗の部品番号は"RMCLR"だし、LEDの抵抗はRLED0だし、
まるで組み立てキットか教育用の機材なんじゃないかと思ってしまうぐらいですね。
で、シルクの中に、"ZGW19C" という文字列がよく現れます。
内部コードだろうし何も情報ないだろうと思ったけど、ググってみると…
http://www.zyaura.com/products/ZGw19C.asp
OEMだったwwwwめっちゃOEMだったwww
ごめんねwなんかごめんねw
いや、OEMでいいのよ。でもパンフとかすごい気合入ってたんで
もうちょっと独自にどうにかのなんかだと思ってたのでびっくりしただけよw
耐久性とかこれから使ってみて確認するところです。
というわけで、Co2・温度・湿度センサを分解してみた記事でした。